CURTAIN CALL

haruka nakamura


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光によせて





haruka nakamura PIANO ENSEMBLE TOUR FINAL『光』によせて



rizm / colissimo 前中久和


はじめて手にしたharuka nakamuraのアルバムは、2010年に発売された2nd ALBUM「twilight」だった。
毎日取り憑かれたように聴いていたこのアルバムの中でも"音楽のある風景"は、心の深いところまで染み込んでくる感覚があり、心身にひずみが生じた時にも、この音を聴くと深い森のなかへ誘われるかのように眠りにつけた。
その名を冠したツアーの最終回が2017年7月21日、有終の美を飾るに相応しい「東京カテドラル聖マリア大聖堂」で開催される。

このTOUR FINAL "音楽のある風景"『光』のメインビジュアルは、わたしが通学通勤で利用していた山間部を走る旧JR線のトンネルの中からの光景。昨年の春にharukaさんと訪ねた時に彼が撮った写真が使われている。
この路線で通っていた当時、 「車窓の明るい風景が、ふいに真っ暗闇になり、また閃光のごとく明るくなる」 を繰り返すトンネル郡を越えながら、 この先もこのレールでいいのだろうか、新たなトンネルを選べばその先に大きな光があるのか、それとも闇に迷い込んでしまうのだろうかと、これから先のことをぼんやりと考えていた。



そんな人生の分岐点に立っていた頃にはるか遠くの青森で才を持って生まれた彼と、33年後にここを訪ねるとは数奇な縁の巡り合わせである。


年を重ね、深い闇と遠い孤独を経験した日々から生まれた彼の音楽は、人が生きるうえでの根源的な光と闇、儚さや美しさにあふれている。


"音楽のある風景"がリリースされてから7年、ENSEMBLE TOURが始まって2年半。この音楽も幾つもの光と闇を積層しながら進化し続けていて、観るたびに全く違う風景を描き出している。ENSEMBLEメンバーが各々に歩んでいる日々が、その時々に交錯して風景を作り上げていると言う方が正しいかも知れない。


TOUR FINAL『光』は、その集大成に近づいているのは間違いないが、決して完成形として終わるのではなく、一つの分岐点としてそれぞれに始まる新たな『光』への入り口に立っているように思える。どのトンネルの先にも『光あれ』と言わんばかりに。







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